ホルモン補充療法
現在、更年期障害の治療法としては、もっとも有効なのがホルモン補充療法です。更年期のさまざまな不快症状は、卵巣の機能低下に伴ってエストロゲンとプロゲステロンの2種類の女性ホルモンの分泌が急激に減少したり、分泌状態が不安定になってホルモンのバランスが崩れるために、自律神経の働きが乱れて起こるものです。ホルモン補充療法は、減少したエストロゲンなどを体外から補うことによって、ホルモンの激減という急激な変化に体を少しずつ慣れさせていくという治療法です。実際の治療では、少量のホルモン剤を飲み薬や貼り薬などの形で用いて、体内の女性ホルモンの急な減少をなだらかにし、体がホルモンの減少に無理なくついていけるようにします。その結果として、ほてりや発汗、いらいら、不眠などの更年期の様々な症状を改善・軽減し、予防しようというものです。
ホルモン補充療法の主な効果として、ほとんどの更年期症状を改善・軽減する効果や、骨粗しょう症、動脈硬化、高脂血症など生活習慣病を予防する効果があります。そして特に、のぼせやほてり、発汗などの症状に対する効果が著しく優れています。そのため、ホルモン補充療法を始めてから約1週間から2週間で、症状が段々改善されるなど、短期間で効果が現れるケースが多く見られます。また、いらいらや不安、不眠などの症状も1ヶ月くらいで軽くなり、数ヶ月でほとんどの患者の症状がかなり改善されます。
そのため、ホルモン補充療法は、閉経後の女性か閉経前でも症状が重い人、特に更年期症状が強くて辛いために日常生活に支障がある人に勧められます。また40歳前半の年齢でも、血液検査の結果、エストロゲンの分泌が低下し、卵胞刺激ホルモンの分泌が上昇している人には、医師がホルモン補充療法を勧めることがあります。